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ILCE-7SM3の映像圧縮フォーマット(記録方式)について
私の相棒、SONY α7S III
動画用に5年ぶりにα7S IIIから買い替えました。(スチールは相変わらずα7RIVです)
SONY α7S IIIを扱うにあたって、現場でテンパらないように最新の映像圧縮フォーマットをどのように選択していこうか?
今日はそんなお話です。
HS、S、S-1、この3つの詳細はこの後お話しできればと!
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(記録方式の画面)
・XAVC HS 4K
・XAVC S 4K
・XAVC S HD
・XAVC S-I 4K
・XAVC S-I HD
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ちなみにbit数は、SONYのαシリーズはこれまで
「8bit 4:2:0」の記録でしたが、
α7S IIIからはさらに「4:2:2」「4:2:0」の選択が可能。
※読み方はフォートゥートゥーっていうんだね(余談)
下の数字をみてもらうとたった2bitでこれだけの差があるということがわかる。
今日は細かいことは端折りますが、「なぜα7S IIIを購入したのか?」そういった理由とも関係してくる気がする。
ただ新しいものが好きという人は関係のないことかもしれないが、この8から10にbit数が上がったということで購入を検討した人もいるんじゃないかな。
8bit | 10bit |
約1677万色 | 約10億6433万色 |
α7SⅢから色の階調幅が大きく広がったので私は購入しました!
この理由からも「カラーグレーディングをすることを前提に撮る」という人が多いのではないかなと。
ですので映像圧縮フォーマットについて今回私もそうですが、より理解を深めておくとよいと思います。
どういったシーン?カット?を撮影するのか!に合わせて設定してみる
撮影前のお話になるのですが、字コンテ、もしくは絵コンテでどのようなシーン、カットを撮影するのか。
そういうことも視野に入れながら設定していくと良いかもしれませんね。
①フレームレートをまず最初に決める
(フレームレートの選択は4K解像度で24P・30P・60P・120P)
②次にbit数(4:2:2 or 4:2:0)
③そして記録方式
私もアシスタントの子にはできるだけ事前にカットの説明をするようにしていますので、現場では判断しやすい気もします。
それ以外はそうじゃない設定、簡単に言いますとカラーグレーディングとか必要ない、撮って出しで編集しなくても良い設定。
になるんじゃないかなと思っています。
①フレームレート(スローモーションが必要な場面?)
60Pや120Pといったフレームレートを選ぶメリットってなんでしょうか?
編集で“スローモーション”(滑らかな映像)のカットが必要な時
★映像表現にスローモーションを使わないシーン、カットは常に24Pまたは30Pにすると決めて撮影するのが良いと思います。
(私はシーケンスのベースを24pで編集することが多い)
いろいろ設定を触ってみてください!
表示されないフレームレートはその設定では“無理”ですということになります。
ですので120Pの撮影時はあえて8bitに落として撮影することも視野に入れるといいかもしれませんね!
この他にも、この機種はS&Q(スロー&クイックモーション)という撮った後にすぐに確認できる撮影方法もあります。
私はS&Qはあまり使わず30、60pで撮っておいて編集時に24pでスローにしています!
②bit数(後でカラーグレーディングが必要?)
10bitと8bitのどちらを選ぶ?
カラーグレーディングが前提の映像制作 → 10bit 4:2:2
最初にもいいましたが快調の幅を考えると一目瞭然です。
【注意点】
10bitのほうがパソコンに対する負荷が大きく、ある程度スペックの高いパソコンでないと対応できない
「10bitで自身のパソコンのスペックでカラグレできるかどうか」 それが選択の理由でも良いと思います。
③記録方式(編集時の環境、スペックは足りてますか?)
そしてSONY α7SIIIの記録方式はどれを選んだらよいのか?
<三種類の記録方式>
XAVC HS(MPEG-H HEVC/H.265)
XAVC S(MPEG-4 AVC/H.264)
XAVC S-I(MPEG-4 AVC/H.264)
3つとも全てお勧めしている“4K 4:2:2 10bit”で収録可能です!
じゃあこの3つ何が違うのか?
パソコンに対する“負荷の大きさ”や“ファイルサイズ”が異なります。
スペック次第で編集の時間、また進行も変わってくる事でしょう。
XAVC S | SONYの開発した従来の汎用性の高い民生用の従来の記録方式です。 ただし重いと思います(デスク環境によっては扱いづらいかも)業務用だとLONGとかになるんですかね? |
XAVC HS | XAVC Sよりも高画質。 ・高圧縮(H.265) ・ファイルサイズ=XAVC Sと同等か少し大きい程度。 パソコンへの負荷が大きいので編集を考えると…。 (SONY公式では無編集の視聴用として推奨) 編集しないということはお仕事上ではなかなか無い気もするね。 ということは選択肢からは外れそう。 |
XAVC S-I | パソコンへの負荷が少なく動画編集向けの記録方式。 サクサク動かすならこれになるのかもしれません! ファイルサイズが大きいため、大容量の保存ディスクが必要。編集時に工夫が必要。 ※XAVC S-Iの「I」は“Intra”の頭文字が由来、映像の圧縮を1フレーム毎に行っています |
尺の長さが同じ場合の比較で考えるといいかもしれません!
XAVC S-Iが最もファイルサイズが大きくなります。
一方でXAVC SやXAVC HSは圧縮を複数フレームにまたがって行い(フレーム間圧縮)、ファイルサイズを小さくしています。
■フレーム間圧縮(複数フレーム) → デコードの負荷が大きい → 再生中にカクツキやコマ落ち
■1フレーム毎に圧縮する記録方式 → デコードの負荷が少ない → 編集しやすい
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まとめ(メモリーカードはどのようなものが良い?)
今回は自分の機材(SONY α7SIII)を中心にお話しましたが、みなさん各メーカーの備わっている
フレームレートやbit数、あとはやっぱり勤務先、もしくは自宅の編集環境のスペックで選択肢も変わると思います。
みなさんは映像圧縮フォーマットをどのように選択されましたか?
ちなみにSONY α7SIII 4K/120PはXAVC S-Iで撮影する場合に限って、カメラの撮影モードをS&Qモードにして「CFexpress Type Aカード」で収録する必要があります。
そうなってくるとXAVC S-1撮影用に是非チェックしておくと良いと思います ➡︎ 対応しているメモリカード詳細
ちなみに私はカラコレに関して特に拘らなくて良いものは「CFexpress Type Aカード」と64GBのこの下に貼ってあるメモリーカード、所謂、カメラの中だけで圧縮する“内臓記録”というやつですね。そして、カラグレなどが必要な案件によっては外付けの記録型モニターATOMOSの“NINJYA V”などでProResというRAWデータを扱う“外部出力”(非圧縮で記録)
というように現場毎で先に機材の選定が必要です。(ご参考まで)
次回、そういった編集時の“コーデック”についての話もまとめれたらと思います。
【映像】コーデックの種類「ProRes」「H.246」をより深く理解したいのだ。
【重い】ドッキングステーションというものでPC負担を減らし快適編集したい話